女性が働きたくないと思う会社は詰んでいる

オピニオン

 ブログ「ドイツ発 雨宮の迷走ニュース」を運営し、ドイツでフリーランスライターとして活動されている雨宮紫苑さんと、東京でベンチャー企業の新社会人として働くわたし、多葉田愛が「仕事の選択肢」「女性の働き方」をテーマに言いたい放題言う企画第2弾。

第1弾はこちら(社会的なフリーランスアレルギーはいつ無くなるの? – AI TIME)をご覧ください。

ではでは早速、辛口対談スタートです!

 

会社とプライベートは分けるべき?

※以下雨宮紫苑さん()、多葉田愛(

:終身雇用の体制が抜けていない会社に勤めている人にとって、会社の人たちは家族

長年関係を持つ、家族ぐるみの関係がある会社は、プライベートと仕事が一緒。
仕事仲間が友達!みたいな状態の会社はその切り分けが難しい。
まさに会社と結婚する勢いですね。

今は、付き合いの飲み会は嫌という考えもメジャーになってきたけど、昔の人は割り切れていない。わたしが今住んでいるドイツでは、仕事とプライベートは分けるのが普通。

プライベートは、強要しない方がいい。
わたしはお酒が好きだから、飲み会は問題ないタイプなんですけどね(笑)。

わたしは嫌。苦手な人がいるのに、わざわざお金と時間を使いたくない

もちろん飲み会にもいい面はあるけれど、そうやって仕事外のコミュニケーションを取ると、先ほど言ったように男女の役割の差がお互い仕事でも割り切れなくなると思います。

:確かにそうですね。もしそれでもビジネスとプライベートを分けない方がいいと言うなら、とことん分けないでほしい

「もし自分の彼女だったら?」とプライベート目線で考えれば、人格を否定するような怒り方は無くなるはずだし、「もし自分の奥さんが子育てで一度職場を離れて、復職したら?」と考えれば、産休や育休を取った女性社員の気持ちもわかるはず。

もしプライベートを会社に持ち込むなら持ち込むで、そういう方向で生かせば良いと思います。 

 

上司と部下のジェネレーションギャップ

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上司が若かった頃の時代は、女性はお茶汲み、寿退社という時代。
それでうまくいっていたんだからという考えが今も根底にあるように感じます。

電車にベビーカーを乗せる、乗せない論争も、昔はそんなものはなかったからで済ませますが、子育てがしにくい環境に変化している中で、発想が完全に時代遅れ

ジェネレーションギャップがあって、上司と部下がお互いの時代の価値観を知らないのは当たり前。
お互いがわからないことを前提にして、今と昔に優劣をつけるべきではない。

むしろ合わせるとしたら、今の時代に今の感覚を合わせる方がナチュラル。今の時代に昔の価値観を押し付けるのは違和感があります

お父さんが新入社員の時はバブルで、内定者懇親会はハワイ。
今のわたしたちが理解するのは無理。
これからの社会をつくるのは若い人たち。意見を尊重してほしい。

 

彼氏ありきで行動すると、思い出にはなっても経験にはならない

パートナーとは、どういう関係が理想的だと思いますか?

:わたしと彼は、「あなたの人生はあなたのもの」という価値観が共通している。自分の気持ちは伝えるけど、相手の気持ちを尊重し合っている。

:いいですね!相手の選択を自分の選択のきっかけにするのはいいけど、相手を自分の行動の言い訳にするのは良くないと学びました。

:相手に選択を委ねたくなる気持ちは、感情的には理解できるけど、決断を相手基準にすると後悔する可能性が高くてリスキーですよね。

相手ありきで行動を選択すると思い出にはなっても、経験にはなりにくい。長期的な目で見ると、思い出に浸ることに意味はないので、仕事に対してもプライベートに対しても、経験になる(自分のためになる)かどうかで決断をするべきだと思います。

 

男性社員VS女性社員?

子育ては男女のものなのに、女性が子どもを看ることが当たり前になっていて、男性のサポートが少ない。男性の理解が進んでいないとも感じますね。

父親である男性が仕事を優先すれば、母親が子育ての役割を担うことが当然になります。
それで「子どものために早退」がダメなのは謎。だったら父親が早退してくれるの? 

少子化が進む中で、国家レベルで考えても出産はマストなのに、女性が社会的に肩身が狭い思いをしなければいけない状況は意味がわからない。

結局原因は、当事者意識が少ないから

産休、育休をしっかり取る人が少ないから、その男性社員の奥さんも、休暇が取れず、仕事を辞めてしまっている。
そうするとその男性は、会社とはそういうものだと思ってしまう。

でも奥さんがしっかり休みをとって復帰している家庭の旦那さんなら、自分の妻もそうだったからという視点で、理解が生まれる。

実際に自分ごとになっていなくても、想像力を働かせることが大切

 

20代の女性の執行役員がいる会社は強い

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わたしの会社は比較的女性が多い会社だけど、まだまだ日本の会社で女性の割合はポジションが上になるとかなり少ない

執行役員は最年少で、30代半ば。もし20代後半の女性の執行役員がいる会社があったらそれだけで強みになると思います。

普通、同年代に対してのマーケット感覚が最も優れいているはず。だから、若い社員の市場に対する感覚が会議で取り入れられたら、消費者との距離が近くなります。

選挙の際に、誰に投票すればいいかわからないのなら、若い女性の候補者に投票すればいいという意見を読みましたが、それだけ意見が拾われていない層だと感じます。

:愛さんの会社は、若い会社でいわゆる日本企業の悪習のような部分は少ないと感じますが、大企業は年功序列が強く、今も年上の人が人事権を握っています。

女性は妊娠したら会社を辞めるから、大事な仕事をまかせられないという価値観が未だに強い。
女が家事・子育てをするという価値観ベースで考えている。

上司が男性の部下には怒鳴れるけど、女性の部下に同じように怒鳴るというのは難しい。男性の上司は、気を使うから女性とは働きにくいと感じてしまう。それは、女性視点でも納得出来るます。

女性も、男の人から甘やかしてもらえるという甘えがあるのかもしれない
デートではリードして欲しくて、仕事では女性の上司にリードされるというのは、お互いなかなか合わせにくいと感じます。

自分で考えると、仕事とプライベートは違う

コミュニケーションは大事だけど、積極的に人と関わりたいと思う欲がほとんどないし、目立ちたいとも思わない。

だからプライベートだったら嫌だけど、仕事では人間関係の基盤ができていると、自分がやりたいことが実現できるとわかるから、いろんな人と話したり、前に立つのは仕事だったら苦ではない。

それは「やりたいこと」の優先順位が、積極的にはやりたくないこと(いろんな人と話したりする)よりも高いから。

そう考えて動いているので、仕事で機能的にリーダーというポジションを私が任されたら、プロジェクトのゴールに一番の優先順位を置いて欲しいと感じますね。

 

女性のキャリアは妥協

女性が男性と全く同じようにキャリアを歩もうと思ったら、まず妊娠はできない。女性がその選択をしなかったら、会社や男性が妥協することになって、誰かにしわ寄せはいくもの。
悪い悪くないではなく、理解出来るかどうか。

やりたいか、やりたくないかで、どうしても仕事をやりたかったら、今の社会でも女性のキャリアは築ける環境にはなっている。
仕事以外の選択肢をほとんど切り捨てればの話になるけど。

ジェンダーの話をするわけではないけれど、何十年間も自分を女子だと思っている人と、男だと思っている人の価値観は当然異なります。
市場は男女比がほぼ5:5。社内が男性8:女性2だったら、それだけでその会社は市場力が弱くなる。だから女性として働くこと、女性を採用することは強みにもなり得ると思います。

女の人がいるというニーズがあるのは、会社で働いたことがないので体感できていないけど、やはり仕事になった途端に、普段の男女関係を突然ビジネスパートナーに変えるのは難しいと思います。

シンプルに、お互いに違いを「いいね」と言い合えればいいと思いますね

 

企業は女性が働きたいと思える環境を目指すべき

お金持ちを目指すのではなく、自分らしい働き方をしたいという人が増えてきて、大企業の魅力は減っています。会社の環境は、だんだん変わっていくはず。

:大企業は、これまで人材獲得の視点で競合としていなかったベンチャー企業やフリーランスという選択肢をどんどん無視できなくなると思います。
今は、優秀で豊富な選択肢を持っている人が、大企業以外の働き方を選び始めています。

:学歴がある学生は、とりあえず大企業を狙って、あえてフリーランスという人は少ない。女性でも働きやすいフレキシブルなベンチャーやフリーランスという選択肢をもう少しメジャーにしたいですね。大企業であっても、人生の保証はしてくれないですから。

:自分のペースでキャリアが詰める、フリーランスの魅力はすごく感じます。

フリーランスの人が当たり前のようにしている、フレックス、私服、リモートワークくらいは会社も当たり前のようにやっていくべきだと思います。

優秀な人が、長期的なキャリアや自由な生き方を求めてフリーランスになったら、企業にとっては人材流出。
ネームバリューで入ってくるような、マーケットを知らない、短期的な視点しかない人しか取れないという結果に陥ります。

の人が入りたくないと思うような会社に未来の需要はない。そんな日本の未来に非協力的な会社、近い将来必ず詰みます。

 

どんな景色を見たいかで、働き方を選択する

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:プロブロガーのイケダハヤトさん(「まだ東京で消耗してるの?」)やヒキコモリズム井上さん(「ヒキコモリズム.COM | 在宅で稼ぐプロ引きこもりのブログ」)もおっしゃっていますが、フリーランスのいいところは、自分の子どもの成長を見れること

同じ屋根の下で暮らしているのに、会社が忙しくて、子どもの成長見れないというのはあまりに残念。
フリーランスであったり、自分のスタイルで働ける会社で働くことをもっと考えるべき。

:最近「どんな景色が見たいか?」という視点でキャリアを考えるべきという意見を聞き、とても腑に落ちました。

キャリアが先行してしまうと、ポジションが上がったとしても、充足感は得られない。

こどもの成長という景色が見たいならフリーランスだし、大規模案件を大人数で動かした先にある景色を見たいなら会社もいいと思う。

見たい景色を見るための働き方を選択することが大切だと感じます。

:なんだかんだ言って、世間体に左右される人は多い。時間はかかるけれど、その世間体から変わる必要がある。

もうちょっといろんな生き方があって、いろんな生き方をしている人がいるというのことを理解できるようなっていけばいいと思います。

Ai Tabata

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「AI TIME」編集長。まちづくりベンチャー企業で広報・旅行事業立ち上げ→オーストラリア・メルボルンで海外フリーランス。企画/PR/Webマーケティングを...

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