読むと世界がモノクロに見えるおすすめの絶望本12選

暗い世界に浸りませんか?

数年前まで、陰陽の割合でいうと陰の方が多い人間でした。


行動がポジティブなので、内面もポジティブに見られがちですが、めちゃくちゃ暗い世界観も持ち合わせています(笑)。

バランスが保てる状態になったのはつい最近。

暗い世界を見ると案の定、落ち込むんだけど、繊細ですごく綺麗で、思わず覗きたくなっちゃうんですよね。

何不自由のない一般家庭に育ったわたし自身に暗い過去はないけれど、本の世界の暗い世界にどっぷり浸る時間は、わたしに深呼吸をさせてくれるとても大好きな時間です。

光しか感じない人間はぼくにとって眩しすぎるのかもしれない。

闇を帯びてる人間がぼくは好きなんです。
闇を抱えてる彼らはそれをエネルギーに変えて、社会に貢献しようとしています。

闇から光に転じようとする振り幅があるからこそ、その人の魅力になるように感じるのです。

ぼくはメンヘラだ!2日に1回は死にたくなる。 – 未来は変えられるの?

プロブロガーの宮森さんの言葉。

ポジティブばかりが良いとされているけれど、その明るさが人を傷つけることもあります。
本当に痛みに寄り添うなら、痛みを避けずに、向き合うべき。

暗い世界とは無縁の人にこそ読んでほしい、普段はポジティブなわたし的おすすめ「絶望本」をまとめてみました。

番号が大きくなる程、絶望度も高くなります。
なので、絶望本初心者はの低いものから読むのがおすすめ。

読むと1~2週間重い気持ちを抱えることになる本も多いので、心して読んでください(笑)。

目次

1. 何者

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。

絶望本とまではいきませんが、就活を経験したことがある人なら、あの独特な時間がモノクロの映像となって頭に浮かぶだろうと思います。

就活前に読むと、就活しにくくなります。
それでもあえて、就活前に読むことを強くおすすめしたい。

 

2. スイートリトルライズ

この日常に不満はない、と瑠璃子は思う。淋しさは人間の抱える根元的なもので、自分一人で対処するべきで、誰かに―たとえ夫でも、救ってもらえる類のものではない。瑠璃子と二歳下の夫、総。一緒に眠って、一緒に起きる。どこかにでかけてもまた一緒に帰る家。そこには、甘く小さな嘘がある。夫(妻)だけを愛せたらいいのに―。

淡々と積み重ねられる小さな嘘。

少し退屈な場面が続くな〜というときにでてくる「人は大切な人に嘘をつく」 という言葉。
この言葉が作品を一気に複雑で切ないものにしているような気がします。

 

3. ほかならぬ人へ

「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」…妻のなずなに裏切られ、失意のうちにいた明生。半ば自暴自棄の彼はふと、ある女性が発していた不思議な“徴”に気づき、徐々に惹かれていく…。様々な愛のかたちとその本質を描いて第一四二回直木賞を受賞した、もっとも純粋な恋愛小説。

なにものにも代え難い人を思うことは、危ういけれど素晴らしい!
簡単に「恋」という言葉だけでは言い表せない関係が描かれています。

今いるパートナーがほかならぬ人なのか、考えさせられてしまう作品です。

 

4. 娼年

恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく……。いくつものベッドで過ごした、ひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。

人にはいろんな面があって、その全てを知ることは難しい。
けれど、娼夫という仕事では、普段は見えない部分を目の当たりにすることになります。
人を受け入れることは難しいけれど、相手の支えになる行為だと感じました。

なかなかできない体験をぜひ本で(笑)。

 

5.蛇にピアス 

ピアスの拡張にハマっていたルイは、「スプリットタン」という二つに分かれた舌を持つ男アマとの出会いをきっかけとして、舌にピアスを入れる。暗い時代を生きる若者の受難と復活の物語。  

この本を読んだのは小学生の時だったので、非常に刺激が強かったことを覚えています。

タトゥーに、ピアスに、スプリットタン。
痛々しい描写から思わず目を背けたくなりますが、この物語の主人公にとって、痛みだけが生きていることを実感させてくれるのです。

 

6. 向日葵の咲かない夏 

明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。慌てて学校に戻り、先生が警察と一緒に駆け付けてみると、なぜか死体は消えていた。「嘘じゃない。確かに見たんだ!」混乱する僕の前に、今度はS君の生まれ変わりと称するモノが現れ、訴えた。―僕は、殺されたんだ。半信半疑のまま、僕と妹・ミカはS君に言われるままに、真相を探る調査を開始した。

この本は絶望的な上に、めちゃくちゃ怖いです。
フィクションだと思って読み進めていくと、だんだん細かく張り巡らされた伏線に気がつき、恐怖を覚えます。

とてもおもしろいですが、今こうして思い出しながら感想を書いているだけでもこわいので、あまり内容には触れずに次の作品にいきたいと思います(笑)。

 

7. ナラタージュ

お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある―大学二年の春、母校の演劇部顧問で、思いを寄せていた葉山先生から電話がかかってきた。泉はときめきと同時に、卒業前のある出来事を思い出す。後輩たちの舞台に客演を頼まれた彼女は、先生への思いを再認識する。そして彼の中にも、消せない炎がまぎれもなくあることを知った泉は―。早熟の天才少女小説家、若き日の絶唱ともいえる恋愛文学。

重い恋愛小説といえば、これ。

理屈も理性も超えた恋愛に、主人公と共にどっぷりハマれます。
どうしようもないくらい「好き」という気持ちを感じたい人におすすめ。

 

8.  ノルウェイの森

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。

出会った人々と時代に翻弄される主人公。
悲しみやつらさは誰の側にもあることに気づかされます。

「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」という言葉が印象的。
心に留めたい描写や言葉ばかりなので、映画よりも本で読むのがおすすめ

 

9. 八日目の蝉

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。

母だと思っていた人は、実は誘拐犯。
温かい思い出と突きつけられる現実とのギャップに戸惑う。

流れるように変わる状況に、思考が追いつくのが大変!

10. 告白

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。

中学校のクラスでおこった出来事だとは思えない絶望ぶり。

事件に複雑に絡み合うそれぞれの事情と感情。
細かく計算されたストーリー展開から目が離せません!

 

11. 悪人

九州地方に珍しく雪が降った夜、土木作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう。母親に捨てられ、幼くして祖父母に引き取られた。ヘルス嬢を真剣に好きになり、祖父母の手伝いに明け暮れる日々。そんな彼を殺人に走らせたものとは、一体何か―。

本当の「悪人」は誰なのか。
読み終わってしばらくしても、その問いを考え続けてしまう物語。

映画は主人公に焦点が絞られているが、原作はモノローグ形式で多角的な視点から主人公の人物像が描かれているので、映画を観たあとに読んでもおもしろい。

 

12. 白夜行

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。

究極の絶望本。
暗い世界で生きるしか道がなかった2人の壮絶な物語。

ドラマも映画も大好きだけれど、原作のラストが最も心に重くのしかかります。

 

わたしの大好きな絶望本の世界はいかがでしたでしょうか?

本の中のモノクロの世界に触れることで、平凡な毎日の鮮やかさに気がつけるから、絶望本が好きなのかもしれません。

Ai Tabata

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「AI TIME」編集長。まちづくりベンチャー企業で広報・旅行事業立ち上げ→オーストラリア・メルボルンで海外フリーランス。企画/PR/Webマーケティングを...

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